上糸が絡まらないためのミシンの使い方
第5回目の生地の最後に、「ミシンの使い方の初期段階はマスターしたことになります。」と書きました。
確かに上糸と下糸の準備については説明し終わったのですが、いざ縫い始めるときに知っておいていただきたい注意事項がありますので、今回はこんな時のミシンの使い方について説明させていただきます。
プーリー(手で回すところ)が重くて回らない。
こんな修理の時、上糸が天秤周辺(上糸がけをする時の糸の通り道。縫っているときに上がり下がりする銀色の部品の周辺)に糸が絡まっていることがあります。
糸がらみが何回か起きて、だんだん重くなって縫えなくなってきているのです。
原因はスタートの仕方です。
取扱説明書には「上糸とした糸を10センチ以上向こう側に垂らしておいてスタート」こんな説明の書いてある場合が多いのですが、これを守っていない人に今回のようなトラブルが起きます。
ミシンで縫っているとき、天秤(縫っているときに上がり下がりする銀色の部品)が上がり下がりします。
糸の垂らし方が十分でないと、天秤の動きによって上糸が引っ張られて逆戻りしてしまうことがあります。外れた糸先がミシンの中で絡みついてしまうというものです。
この場合、ただ根気に絡まった糸を少しずつ外していくことで修理はできます。
そして修理の後にはミシンの使い方の勉強会をさせていただいています。
そのときお伝えしていることは「ミシンをスタートするとき上糸と下糸の糸先を左手でピンと持っていてください。」です。
これを守っていただければ今回のトラブルは起きなくなりますし、一針目にループができてしまう場合にも有効な解決策となります。
ここまでしなくてもいいミシンもありますが、トラブルを経験している方にはぜひ試していただきたいと思います。
ミシンの使い方を正しく実践して手作りを楽しんでください。