ミシンに合ったミシン糸をお使いください
店頭でミシンの修理をお預かりして、たまにこんな事があります。
修理のミシンを私が使ってみると、問題なくきれいに縫えます。そこで掃除などの簡単なメンテナンスをしてお客様に説明します。「悪いところはなかったので、上糸と下糸のかけ方を練習して帰ってください。」
この時点で私は、「ミシンに問題はないのだから、お客様のミシンの使い方に原因がある。」と思っています。ところが数日後、そのお客様から「やはりミシンの調子が悪い。家でやってみたらきれいに縫えない。」という連絡が入りました。
そこで、「調子が悪いそのままの状態でミシンを持ってきてください。生地と糸を外さずそのままにして持ってきてください。」とお客様にお願いして、ミシンを持ってきていただきます。
再びご来店いただいたお客様のミシンをみると、使っているのが100均のミシン糸。糸をシャッペスパン60番に替えて縫ってみるときれいに縫えます。原因はミシンでもお客様の使い方でもなく、ミシン糸にあったのです。
100均の糸すべてが悪いというわけではないのでしょうが、こんな事が時々あるのです。
せっかく良いミシンをお使いなのに、こんな事が原因で苦労をされたわけです。ミシンを使うとき、ミシン糸も重要な要素です。適正な糸をお使いになることをおすすめします。
普通の綿の生地を縫うのであれば、フジックス株式会社の「シャッペスパン」または、カナガワ株式会社の「シャッペ」をお使いになればほぼ間違いありません。個性的な生地を縫うきにどんな糸を選ぶと良いのかは、糸暦のブログ「平成28年8月25日(木)第1回糸の選び方」「平成28年9月2日(金)第2回糸の選び方」をご参照ください。
または、手芸屋さんの店頭でご相談いただくのが良いかもしれません。


ご参考までに
糸暦のブログ「平成28年8月30日(火)の第9回ミシンの使い方」にも書いていますが、私たちがミシンの点検をするときの原則は以下の通りです。
- 糸 シャッペスパン60番
- ミシン針 オルガンHA×1 #11
- 生地 ブロード2枚重ね
この条件で縫ってみてきれいに縫えれば、ミシン本体に調子の悪い原因はないということになります。すべてのミシンはシャッペスパン60番で縫えばきれいに縫えるはずです。ということになります。